登山ソロテント|ニーモ「タニ1P」ビギナーにお勧めしたい!

たかはし昇一がソロ登山のテント泊で愛用しているテントは、北欧スウェーデンのテントメーカー「ヒルバーグ」の「ウナ」というシンプルで小さいテント

ヒルバーグは信頼性・適応性・使いやすさ・耐久性・快適さ・軽さにこだわり、材料・品質ディティールにもいっさい妥協しない信条をかかげています。

そのためテント自体はまちがいなく最高スペックですが、そのぶん価格もラグジュアリーで、日本のアウトドア界では「リッチなテント」の代名詞でもありますよね。

ウナは設営場所をえらばない「自立式」のテント。アウター・インナーの一体構造によって「ダブルウォール」なのに設営も簡単

インナーテントは「ノーメッシュ」で、全天候対応の「レッドレーベル」に分類されるモデルです。

ぼくにとってウナはシンプル&タフで理想的なソロテントなのですが、およそ10万円という価格設定で気軽におすすめできるものではないのも事実…

ビギナーにもおすすめできるソロ登山テント」をアドバイスする機会があり考えをめぐらしてみたところ、「ニーモ・イクイップメント」の「タニ1P」という結論になりました!

もしぼく自身がいまから登山ビギナーにもどってソロテント泊をはじめるとしても、まちがいなくタニ1Pをチョイスします。

●「ニーモ・イクイップメント」ってどんなブランド?

ニーモ・イクイップメントは2002年4月24日、創業者カム・ブレンシンガーがアメリカ最高の美大「ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン」の在学中に設立しました。

設立の目的は「高度な技術」と「デザイン性」を兼ねそろえたアウトドアギアを世に提供すること。

ニーモ・イクイップメントというブランドの信頼を高めて将来につなげるため、カムは既存のマーケットに存在しない「革新的なテント」をリリースすることが必要と判断。

極限下での使用を前提とした斬新ですぐれたモデルを発表し、アメリカ最強のアドベンチャーレースチーム「Team NIKE/Balance Bar」とギア提供・開発契約に至ります。

2005年には招待メーカーとして、ヨーロッパ最大の見本市「ISPO」で世界中の数あるアウトドアギアのなかでもっとも革新的なギアだけに与えられる「Brand New Award」を受賞!

※出典元:「NEMO Equipment」公式サイト

この受賞をきっかけに、世界中の多くのメディアがニーモ・イクイップメントに注目しはじめました。

2010年までに20種類のテント4種類のスリーピングパッド・ピローを市場に送り出し、日本でのセールスも成長をつづけています。

タニシリーズ」は、そんなニーモ・イクイップメントが日本の山岳シーンのためにデザインしたテントで、ベストセラーモデルとなっています!

もはや日本における登山テントの「ニュースタンダード」と言えるのではないでしょうか?

●ニーモ・イクイップメント「タニ1P」の特徴は?

タニシリーズには、ぼくが「快適性が高いテント」に必要だと思っている「5つの条件」がそろっています。

ニーモ・イクイップメントのテントは極限下での使用を前提にしたものがルーツですが、今回「使用前提」として想定するシチュエーションは「無雪期・3シーズン(春・夏・秋)の高山」の平常時です。

厳冬期の高山」「盛夏の低山」「低地キャンプ」などには、それぞれのシチュエーションや使用目的に最適なテントがほかにあるでしょう。

大雨・暴風下でのテント泊にならないよう事前に天気予報をチェックし、危険であれば計画中止下山開始山小屋への避難を検討するのも当然のことですよね。

「快適性が高いテント」の5条件

  1. 自立式
  2. ダブルウォール
  3. 吊り下げ式
  4. 長辺側出入口・メッシュパネルあり
  5. 軽量

①自立式

※出典元:「NEMO Equipment」公式サイト

登山テントにはペグダウンなしでも設営可能な「自立式」と、ペグダウン必須の「非自立式」と呼ばれる2つのタイプがあります。

非自立式の登山テントは「超軽量」だったり「自由度が高い」というメリットがあるものの、ペグダウンができない=設営ができないという構造上の弱点があります。

自立式・非自立式を問わず、登山テントは強風対策のためペグダウンしてしっかり固定するのが基本

でも、地面のコンディションテント場の混雑状況などによって理想的な位置・本数のペグダウンがむずかしいケースも多いものです。

タニシリーズは自立式で場所をえらばず簡単に設営可能なので、地面のコンディションがわからないはじめてのテント場設営場所がえらべないケースでも安心ですね。

②ダブルウォール

※出典元:「mont-bell」公式サイト

フライシートがない「シングルウォール」とフライシートがある「ダブルウォール」は一長一短

一般的に軽量・コンパクト設営が容易なのはシングルウォール、居住性・快適性を重視するならダブルウォールに分があります。

日本は高温多湿な気候なので、シングルウォールだと「結露」の影響が大きくなり快適性がおおきく損なわれてしまうもの。

ぼくはシングルウォールシェルターでテント泊をしていた時期もあるのですが、テント壁面にびっしょりついた結露シュラフや装備が濡れてしまうのにかなりストレスを感じました。

厳冬期の高山のような過酷な環境下では「設営スピード」というアドバンテージが活きますし、結露も凍って影響がないため愛用者は多いようです。

ダブルウォールのテントでも結露自体は発生するのですが、水滴がフライシートにつくため室内への影響は比較的少なくドライで快適に過ごせます。

③吊り下げ式

※出典元:「NEMO Equipment」公式サイト

自立式テントはポールをテントにとりつけることで立ち上がります。ポールをテントにとりつける方法は「スリーブ式」と「吊り下げ式」の2種類。

スリーブ式はポールを通す筒状の生地がテント本体に縫いつけられているので、ポールが外れることがありません。

そのため強風下でも形状が安定するのですが、ポールが筒をスムーズに通らず途中でひっかかることや、抜き差しのときにポールの連結が外れることもあり、設営に慣れが必要です。

まっすぐ伸ばした長いポールテントの隅から差し込むため、設営・撤収時にはテント対角線の2倍以上のスペースを確保しなければなりません。

ある程度は慣れで解決できるもののポール先端の行方には要注意ですしせまいスペースでの設置には難儀してしまうものです。

タニシリーズが採用している吊り下げ式のメリットは、なんといっても「設営・撤収のしやすさ」が驚異的なこと!

※出典元:「NEMO Equipment」公式サイト

設営時は、テント4角のアタッチメントハブ付きの一体型ポールの先端をセットするだけでポールが倒れずに自立するので、あとはフックをかけていくだけです。

スリーブ式だとポールをセッティングして立ち上げるときに力がいるのですが、吊り下げ式はほとんど力がいらないので、女性でもラクにはやく設営できるほど。

ポールを通す作業がないため、強風時などにテント本体を固定してから設営することもできるのも特徴のひとつ。

※出典元:「NEMO Equipment」公式サイト

吊り下げ式の驚異的な設営・撤収のしやすさについては実際に経験してみないとイメージがつかないでしょうね。

ぼくはテント泊デビューが吊り下げ式テントだったのですが、スリーブ式のウナをはじめて設営したとき「スリーブ式ってめんどくさい!」と思ったのが正直なところです。

もうスリーブ式の設営には慣れたものの吊り下げ式の設営のしやすさを知っているので、いまでもそのちがいが頭にチラつくことがあります。

実際、テントを吊り下げ式にしたら設営・撤収のしやすさにおどろいたという話はよく聞くので、いちど吊り下げ式のテントを使ってしまうとスリーブ式は選択肢に入りにくくなるかも知れません。

④長辺側出入口・メッシュあり

※出典元:「NEMO Equipment」公式サイト

テントの出入口については「短辺タイプ」と「長辺タイプ」で好みがわかれるところ。

短辺タイプはせまい場所でも設営ができて比較的風に強いですが、出入りがしづらく前室が広くとれないのがデメリットです。

長辺タイプだと人や物の出入りが圧倒的にしやすいですし前室も広くとれるので、雨天時などの炊事に強いです。

過酷な環境下で使用するなら短辺タイプの出入りがしづらく前室がせまいデメリットがメリットになる場面もありますが、無雪期・3シーズン(春・夏・秋)の高山であれば長辺タイプの「快適性」が勝るでしょう。

さらに、長辺タイプでタニシリーズのようなフルオープンにできるタイプだと、真夏・昼間のテントサイトでも陽射しをさけつつバツグンの風通しを得られます。

テントのなかでコーヒーやお酒を飲みながら雄大な景色を堪能できるなんて最高!

ぼくは、それがやりたくてタニシリーズと同じようにフルオープン可能なウナをチョイスした経緯があります。

意外とこの点が長辺タイプをえらぶ最大の理由になるかも知れないですね。

※出典元:「NEMO Equipment」公式サイト

タニシリーズのインナーテントは、ドア部分に風の侵入を防ぐブリザードナイロンを採用していて下部のみジッパーでメッシュにできるようになってます。

インナーテント後部ナイロン・メッシュの二重構造になっておりフライシート後部にあるベンチレーションまでアクセス可能。

当然のことですが登山テントに空調機能はないのでメッシュがまったくないタイプだと暑いですし、メッシュが閉められないタイプだと寒いなど温度調整がむずかしいもの。

タニシリーズなら換気を自在にコントロールできるので、さまざまなコンディション下で効果的な換気・温度調整ができるのはポイント高いです!

※出典元:「NEMO Equipment」公式サイト

⑤軽量

登山では「軽さは正義」とされているように、軽量化は重要なファクター。タニ1Pの重量はカタログスペック最小1.06kgと軽量です!

より軽量なテントも存在するのですが、そのおおくは非自立式・半自立式だったり、重量カットのためメッシュオンリーのインナーテント変型ポール構造を採用していたりします。

タニシリーズは、自立式・ダブルウォール開閉可能なメッシュパネルをそなえるオーソドックスなクロスポール式のテントという構造を維持しながら驚異的な軽量性を実現しているのがすごい!

ただし、軽さを追求した製品はそれと引き換えに何かを犠牲にしているもの。

とくに軽さは強度とトレードオフの関係にあることを理解しておかないと、ときとして直面する過酷な状況や想定外の事態に対応できません。

タニシリーズの本体・フライ・フロア素材にはいずれも15デニールの極薄生地が採用されていますから、「フットプリント」の使用は必須でしょう。

また「木の枝」「」や「ナイフ・火器」などで穴をあけないよう、よりデリケートなあつかいが必要です。

フライシートの「耐水圧」は公表されていませんがさほど高くないと思っていたほうがよいでしょうね。

※出典元:「NEMO Equipment」公式サイト

インナーテントのフロアと本体の結合部は曲線を描くように縫製されていて、結露の軽減とともに重量増の要因となるフロア素材の使用量を減らすことに貢献しています。

ぼくが愛用しているウナはオールシーズン対応で、換気性能や軽量化より耐候性・耐風性を重要視

そのためフライシートはスカートのように地面にぴったりつく長さになっていて、タニシリーズとのコンセプトの違いをはっきり感じるディティールのひとつです。

ここまでで危惧する点もいくつか挙げましたが、タニシリーズは安心の自立式・快適なダブルウォール設営簡単な吊り下げ式を採用。

さらに便利な長辺側出入口メッシュパネル完備…これで最小重量1kg程度と軽量なんですから、まちがいなくハイスペックなテントです!

過酷な環境下での使用には不向きですが、無雪期・3シーズン(春・夏・秋)の高山での登山テントとしては現時点でベストバイではないでしょうか?

※出典元:「NEMO Equipment」公式サイト

タニシリーズにはソロ用のタニ1Pのほか、ペア用として「タニ2P 」もラインナップされています。

タニ2Pは183×51cmのマット2枚を敷いても、それぞれの装備をテント内に置ける間口220×奥行130×高さ104cmというひろびろとしたフロアサイズ。

最小重量1.2kg程度と重量増になってはしまいますが、タニ1Pからわずか+約200gなので、ソロ登山でもひろびろゆったりテント泊したいならいいチョイスになりそうです。

●タニシリーズは「プロモンテ VLシリーズ」を参考にした?

ビギナーにもおすすめできるソロ登山テント」を物色していたところ、タニ1Pには「プロモンテ」の「 VL16」というディティールそっくりな登山テントがあることに気がつきました。

VL16も安心の自立式快適なダブルウォール設営簡単な吊り下げ式で、半メッシュですが便利な長辺側出入口最小重量1.2kg程度と軽量です。

おそらくニーモ・イクイップメントは、タニシリーズという日本の山岳シーンのためのテントをデザインするうえでプロモンテのVLシリーズを参考にしたのでしょう。

VLシリーズは2017年に「強度を維持しつつ軽量化する」というコンセプトで、年間約300件もあるという「修理履歴」を分析したフルモデルチェンジが実施されています。

モデルチェンジのおおきな変更点は「生地」で、テントの部分によって必要に応じた最適な素材・強度の生地になりました。

  • フライ:ポリエステル20デニール
  • インナー(パネル):ナイロン10デニール
  • インナー(グランド):ポリエステル30デニール

フライシート」と「インナーテント(グランド)」に採用されている「ポリエステル」は、「ナイロン」に比べて水分吸収率の低い素材です。

そのためナイロンより「速乾性」にすぐれ濡れても重くなりにくいメリットがあります。撤収時にぐっしょり濡れたフライシートを収納せずにすむとしたら嬉しいですね!

インナーテント(グランド)は前モデルからポリエステル30デニールで、穴あき・破れなどの修理履歴がおおいことから繊維の太さは以前のままです。

しかし「ポリエステル・タフタ(平織り)」から、繊維が格子状に縫いこまれた「ポリエステル・リップストップ」というより強度の高い素材にアップデートされています。

※出典元:「PUROMONTE」公式サイト

リップストップ=裂け止め」という名のとおり引き裂き強度・耐久性にすぐれ、細い繊維を使用していることから生地が薄く軽量です。

フライシートのカラーも以前のイエロー系から、清涼感・軽量感のある「サックスブルー」に変更されています。

※出典元:「PUROMONTE」公式サイト

カラーは個人の趣味・嗜好で評価が分かれるところですが、ぼく個人としては自然にとけこむ優しいアースカラー(グリーン・ブラウンなど)だとよかったかな。

サイズ感もタニ1Pが間口202×奥行105×高さ103cmなのに対して、VL16は間口205×奥行90×高さ100cmほぼ同寸です。

●「タニ1P」のサイズ

※出典元:「NEMO Equipment」公式サイト

●「VL16」のサイズ

※出典元:「PUROMONTE」公式サイト

プロモンテのVLシリーズは「アライテント」や「モンベル」などのテントと比べると存在感がうすい印象ですよね?

でも国内の生地を国内で生産して熟練の職人さんが縫製している「Made in Japan」のテントで、生産から検品まで一貫した製造体制で、質の高い製品の供給が心がけられています。

大自然の猛威にさらされるテントは気をつけていても破損してしまうことがあるもの。

プロモンテは国内に生産拠点があるので、ポールの破損・生地の破れなどのトラブルについて短時間・適正価格でアフターケアしてもらえるのも安心ですね。

ニーモ・イクイップメントは海外メーカーなので、アフターケアの時間・価格などの対応には若干の不安があります。

また「定価」を比較すると、2018年6月23日時点で「タニ1P:50,000円(税抜)」「VL16:43,000円(税抜き)」と7,000円の価格差が。

スペック的にはほぼ同じなのに7,000円も安いならVL16に決定!…としたいところですが、個人的にVLシリーズよりタニシリーズのデザインが好みだから困ったもの。

タニシリーズがVLシリーズの構造を参考にしたように、VLシリーズにはタニシリーズのデザインを参考にしてほしいですね。

価格差7,000円は、アメリカ最高の美大「ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン」を卒業したカム率いるニーモ・イクイップメントの「デザイン代」と思えばなんとか納得できそうです。

タニ1Pは①安心の自立式快適なダブルウォールで、③設営簡単な吊り下げ式かつ④便利な長辺側出入口メッシュパネル完備なのに⑤最小重量1kg程度と軽量で、さらに⑥グッドデザインという「6条件」を備えたソロテント!

「タニ1P」が備えた6条件

  1. 自立式
  2. ダブルウォール
  3. 吊り下げ式
  4. 長辺側出入口・メッシュパネルあり
  5. 軽量
  6. デザイン

無雪期・3シーズン(春・夏・秋)の高山軽快なハイキングを楽しみながら快適なテント泊を満喫するための美しい登山テントとして、やっぱりベストバイモデルです!

ぼくにはヒルバーグのウナがあります。

でもビギナーにおすすめするつもりで「タニ1P」の魅力を掘り下げてたら、じぶんでも欲しくなってきました…そろそろボーナスも出るし、買っちゃう?

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ABOUTこの記事をかいた人

たかはし昇一

30歳から3つの「と」(投資・登山・トレーニング)を習慣にしたら人生が変わった金融系サラリーマン。1985年生まれ、東京都23区内在住です。2034年までに金融資産3,000万円の「アッパーマス層」になるため、「収入を増やす」「支出を減らす」「投資で増やす」をコツコツ実践中。